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ラノベの書き方も学べる? デジタルネイティブ世代が夢見る「ネットの高校」を設立へ
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ラノベの書き方も学べる? デジタルネイティブ世代が夢見る「ネットの高校」を設立へ

 ライトノベルの書き方や、ゲームのプログラミングを家にいながらにして学べる高校ができるかもしれません。KADOKAWA・DWANGOは2015年7月9日、代表取締役社長の川上量生(かわかみ・のぶお)さんと、取締役相談役の角川歴彦(かどかわ・つぐひこ)さんが会見して、東京・六本木にあるニコファーレで「ネットの新しい高校」の設立を準備していると発表しました。

コンテンツのKADOKAWAとネットのドワンゴだからこそできるデジタルネイティブ世代が理想とする学校教育がある

コンテンツのKADOKAWAとネットのドワンゴだからこそできるデジタルネイティブ世代が理想とする学校教育がある

 目指しているのは“デジタルネイティブ世代が夢見る理想の高校”です。普通なら学校に通う世代でありながら、学校に行けないでいる子供たちのことが問題になっています。角川歴彦さんはこうした問題の背景に「戦後にできた学校教育制度が今、制度疲労を起こしている。それだけなら良いが、崩壊しかかっている」ことがあると指摘しました。企業が求める人材を育て、送り出していれば良かった高度成長期とは違い、多様化した社会の中で求められる人材も変わってきています。けれども学校が、そうした変化に対応しきれていないのです。

「ネットの高校」設立準備を発表するKADOKAWA・DWANGO代表取締役社長の川上量生さん(右)と取締役相談役の角川歴彦さん

「ネットの高校」設立準備を発表するKADOKAWA・DWANGO代表取締役社長の川上量生さん(右)と取締役相談役の角川歴彦さん

 「高校や中学も、良い大学に行って良い社会人になるための予備校になっている。これではいけない、教育現場の先生も思っているし、親だって子供が夢を持ったら、それを実現したいというのが本当だろう」と角川歴彦さん。そうした子供の夢や希望が、現状の学校制度でかなわないのなら、自分たちで学校を作れば良いと考えたのが、高校設立準備を始めた背景にあるようです。

教育事業開始の発表だけあってニコファーレの壁には学校を模して授業の時間割が登場

教育事業開始の発表だけあってニコファーレの壁には学校を模して授業の時間割が登場

 ここで大きな力となるのが、ネット企業のドワンゴであり、出版を軸にコンテンツ事業を展開してきたKADOKAWAが持つノウハウや技術です。「歴史的に考えて、教育はネットによる総合性を活かした授業に移行していくのが大きな流れになっています。その時に僕らが総力をあげると、理想の学校が作れるのではないかと思いました」。川上量生さんはこう言って、コンテンツ企業とネット企業が合わさったKADOKAWA・DWANGOだからこそできる、新しい高校のビジョンを示しました。

ITを活用した教育カリキュラムの充実、社会との関係性の強化、生徒と教師や生徒間でのコミュニケーション確保が「ネットの高校」の特徴

ITを活用した教育カリキュラムの充実、社会との関係性の強化、生徒と教師や生徒間でのコミュニケーション確保が「ネットの高校」の特徴

 この高校では、「IT」と「エンターテインメント」を軸に、高校として必要な学業を展開します。また、niconicoの運営や「ニコニコ超会議」の開催で培ったノウハウを活かしたコミュニティも提供します。通信制の学校ですから、学習は基本的に家でひとりきりとなりますが、それではモチベーションが保てません。「友だちといっしょに頑張れる魅力」というのを与えるために、niconicoのサービス上で行われているようなコミュニケーションを、在校生たちが行えるようにします。

「ネットの高校」ではITとエンターテインメントを軸に学業、コミュニケーション、キャリア教育を行う

「ネットの高校」ではITとエンターテインメントを軸に学業、コミュニケーション、キャリア教育を行う

 スクーリングという、実際に生徒が学校などに集まって行う学習が、通信制の学校には必要となりますが、そこでも「ニコニコ超会議」のようなイベントを活用し、生徒たちが集団で参加できるような機会を設けます。ネットの学校でありながら、リアルな学園祭も楽しめる、そんな高校になるかもしれません。

 そしてキャリア教育として、人気のライトノベル作家やゲームクリエーター、ファッションデザイナー、教育者といった第一線で活躍するプロフェッショナルが登場して、社会で即戦力となる課外授業も行うそうです。在校生でなくても聞いてみたくなる授業。これは外にも公開していくそうです。

ライトノベルにゲームにプログラミング。豊富な人材ネットワークを活かしたキャリア教育も行う

ライトノベルにゲームにプログラミング。豊富な人材ネットワークを活かしたキャリア教育も行う

 地方とのつながりも強めていきます。全国の地方自治体と連携して、生徒が一種のインターンとして職業を体験できるような機会も提供していきます。発表会には全国の地方自治体から首長が来場して、それぞれの地域がかかえている人口減少や高齢化といった問題を訴えつつ、それぞれの自治体で行っている活性化への取り組みを紹介しました。ここにKADOKAWA・DWANGOが作る「ネットの高校」が絡んで、地方との人材のマッチングを図ります。

発表会では全国から地方自治体の首長が集まり地域が抱える問題や活性化への取り組みを話した

発表会では全国から地方自治体の首長が集まり地域が抱える問題や活性化への取り組みを話した

地方自治体と関係を強化し地方での職業体験を通じて社会とのつながりを持たせる。地方の人材不足解消にも貢献できる

地方自治体と関係を強化し地方での職業体験を通じて社会とのつながりを持たせる。地方の人材不足解消にも貢献できる

 今年3月には本校を置く場所として沖縄県を選び、学校設置等に関係した計画書を提出して、現在は審査を受けている最中です。これが決まるまでは、授業の内容も学費も何も話せないそうですが、生徒数はネットですから無限とのこと。本当に夢のようなカリキュラムが発表されたら、入学を希望する人も大勢出そうです。2016年春には新システムとして双方向IT学習サービスをリリースし、晴れて「ネットの高校」開校へとこぎ着けたい意向です。

 川上量生さんはこうも話していました。「不登校の人は必ずネットをやっています。このデジタル時代に、社会人として普通の人より適正があるかもしれない。そんな人たちが日本の隠れた財産として眠っているんです」。

 不登校の自分は、社会に適性がないと思い込んでいるのは間違っているようです。「ドワンゴもネットをやり過ぎてドロップアウトした人たちで作った会社です。社会生活を送る能力は持っていなかったが、プログラミングを行い、ネットのものを作る力は持っていました」。そうやって頑張った結果が、ドワンゴという企業となり、今のKADOKAWA・DWANGOへとつながっています。

 デジタル時代を切り開いてきた人たちだからこそ作れる「デジタルネイティブ世代の理想の高校」。その全容が明らかになるのはいつでしょうか。公式サイトでの発表に注意しておく必要がありそうです。

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