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アニメイト、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館がマンガの海外展開で新会社
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ジャパン マンガ アライアンス

アニメイト、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館がマンガの海外展開で新会社

 “本物”のマンガを見てもらうことで、日本のマンガを世界に広めていくプロジェクトが立ち上がりました。マンガやアニメーションのソフト、CD、キャラクターグッズなどを扱うアニメイトと、日本を代表する出版社のKADOKAWA、講談社、集英社、小学館の5社は2015年9月1日、合弁会社のジャパン マンガ アライアンスを設立したと発表しました。

左から小学館取締役の相賀信宏さん、KADOKAWA取締役の塚本進さん、アニメイト取締役の國枝信吾さん、講談社取締役の峰岸延也さん、集英社コミック販売部長の隅野叙雄さん

左から小学館取締役の相賀信宏さん、KADOKAWA取締役の塚本進さん、アニメイト取締役の國枝信吾さん、講談社取締役の峰岸延也さん、集英社コミック販売部長の隅野叙雄さん

 この会社が目指すのは「著作権・権利関係がきちんと尊重され、守られ、ニセモノではなく、すばらしい本物の作品にファン達が接する場所を提供し、日本マンガ・アニメのファンが爆発的に広まるインフラ作りを行う」ことです。9月1日に東京都内で開かれた設立発表会見で、その具体的な活動が公表されました。

ジャパン マンガ アライアンスが目指すのは「日本のマンガ・アニメのファンが爆発的に広がるインフラ作り」

ジャパン マンガ アライアンスが目指すのは「日本のマンガ・アニメのファンが爆発的に広がるインフラ作り」

 ひとつは、日本のマンガを世界の人に知ってもらうための活動です。まずはタイのバンコクに現地法人を設立して、日本のマンガやアニメを扱うショップを年末から来春にかけてオープンします。店名はマンガやアニメの専門店として世界にも知られたアニメイトになります。

 ジャパン マンガ アライアンスの代表取締役に就任したアニメイト取締役の國枝信吾さんは、設立会見で「専門店であること、ファンのために存在する店舗であることが、これ以上ない喜びになります」と話して、ライトなユーザーから濃いマニアまで、日本のマンガやアニメが好きな人が来て、満足できる店にする必要性を訴えました。

ジャパン マンガ アライアンス代表取締役に就任するアニメイト取締役の國枝信吾さん

ジャパン マンガ アライアンス代表取締役に就任するアニメイト取締役の國枝信吾さん

 そのために、作品に詳しい店員をそろえて「スペシャリストによる運営を行っていく」方針とのこと。また、日本のアニメイト店舗でも行っているように、クリエーターを日本から呼んでイベントを開き、現地のファンにとっての“聖地”になるような店にしていきます。

海外店舗では品揃えもイベント展開も日本並みに充実させて現地のファンに喜んでもらう

海外店舗では品揃えもイベント展開も日本並みに充実させて現地のファンに喜んでもらう

 ここで物をいうのが、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館という、マンガで日本を代表する出版社が参画していることです。品揃えはもちろん、各社に執筆しているクリエーターにタイでサイン会を開いてもらったり、各社のマンガが原作となったアニメの上映会を行ったりして、現地の人に日本のコンテンツに親しんでもらい、マンガ市場の拡大につなげていきます。

KADOKAWA、講談社、集英社、小学館とマンガ出版大手が加わった意味は大きい

KADOKAWA、講談社、集英社、小学館とマンガ出版大手が加わった意味は大きい

 もうひとつ、アニメイトも含めた5社で展開するメリットに、アジアではまだ多い海賊版への対策があります。装丁や翻訳のクオリティが高い、本物の現地語版を展開することで、粗悪な海賊版を脇に追いやっていくことも、今回のプロジェクトの目的にはあります。長く作品に触れているうちに、より品質の高いものを欲しくなるのがファンの心理です。店舗があれば、そこに本物を持ち込んで手にとってもらえます。

装丁も印刷も翻訳も高品質の本物で日本マンガのファンを増やす

装丁も印刷も翻訳も高品質の本物で日本マンガのファンを増やす

 個々の出版社では難しかった海賊版対策の活動も、何社かでまとまって行うことで大きな力となり、成果に結びつけやすくなります。アニメイトでも、タイの店で会員となった人に、海賊版を見ない、買わないといった宣言に同意してもらう活動を繰り広げ、本物を愛する気持ちを盛り上げて、心理面から海賊版を減らす活動を行うそうです。

タイなど海外でのマンガ出版には各社とも取り組んでいる。ジャパン マンガ アライアンスでまとまって活動することで今まで以上の成果を狙える

タイなど海外でのマンガ出版には各社とも取り組んでいる。ジャパン マンガ アライアンスでまとまって活動することで今まで以上の成果を狙える

 現地でどういったマンガやアニメが好まれているかを調べるリサーチ活動も行います。現地で日本の作品に触れた人が、作品に登場する場所として日本に興味を持ってくれるようなインバウンド(訪日観光客誘致)の拠点も作っていく予定です。

 計画ではまずはタイでの活動に力を注ぎ、どういった傾向があるかを分析しながら、活動の幅を広げて他の国へと展開していくそうです。そのタイですが、設立に参画したKADOKAWA、講談社、集英社、小学館がタイで展開している出版事業の実績から、マンガの市場は50億円から65億円規模になっていると推計されます。

 海賊版の市場が2倍はあると見るなら、潜在的な市場規模は150億円から190億円に達します。それらをすべて正規の品へと変え、さらにコンテンツの幅を広げていくことによって、マンガに限らずアニメのソフトやフィギュア、グッズといった分野へも展開していけます。最初にオープンするタイのアニメイトでの事業展開と、それを支えるジャパン マンガ アライアンスの活動は、その後のアジアや世界各地における日本のマンガ展開に、大きな意味を持ちそうです。

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