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「攻殻機動隊」の世界を現実にする技術やアイデアが大集合
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攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD

「攻殻機動隊」の世界を現実にする技術やアイデアが大集合

 士郎正宗さんの漫画を原作に、押井守監督や神山健治監督らがアニメーションにして、全身義体のサイボーグたちが電脳ネットワーク空間を舞台に起こる犯罪に挑む、近未来的な世界観を世の中に示した「攻殻機動隊」。そこに描かれたビジョンを、現代の最先端技術で現実化しようと挑んだ作品が並んだイベント「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD」が2月11日、東京都渋谷区の渋谷ヒカリエホールで開かれた。

渋谷ヒカリエで開催された攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD

渋谷ヒカリエで開催された攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD

 「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」は、日本を代表する企業や大学の研究開発者、アニメーションの製作関係者らが結集して、「攻殻機動隊」の世界を再現しようと取り組んだプロジェクト。その成果発表となったイベントでは、「攻殻×コンテスト」「攻殻×ハッカソン」として公募され、優秀なアイデアと認められたチームが作品を持ち寄り展示した。

 「攻殻×コンテスト」に優秀チームとして選ばれた中では、ITKが手掛け科、遠隔操作が可能な五指可動型ロボットハンド「ハンドロイド」が義体らしさを見せていた。人間には入っていけない場所で、人間の手のように繊細な動きが必要とされる環境に向けて作られたもの。グローブをはめた手の指を曲げると「ハンドロイド」ロボットの指が曲がるが、戻る動きは仕込まれたバネが代替する。動く仕組みを簡略化することで軽量・安価に提供できるという。

遠隔地から指の動きを伝えて操作する「ハンドロイド」

遠隔地から指の動きを伝えて操作する「ハンドロイド」

 横浜市立大学小島信彦研究室が提案した、「攻殻機動隊の義体を支える臓器設計技術」は、全身をサイボーグ化した場合に必要となる人工臓器を、どのように作り出すかといったアイデア。すべてを機械にすれば、東京ドームくらい巨大になり過ぎる人間の肝機能の再現に、バイオテクノロジーを取り入れることで、人間よりもコンパクトなサイズの肝臓を作り出せるようになるという。「攻殻×コンテスト」ではこのアイデアが最優秀に輝いた。

マイクロ臓器の創出技術を使えば肝臓も左端のブロックのように小さくできるという

マイクロ臓器の創出技術を使えば肝臓も左端のブロックのように小さくできるという

 神戸デジタルラボ・テレパシージャパンJVが持ち込んだ「スマートグラスとARを併用したリアルとバーチャル体験」は、スマートグラス「テレパシージャンパー」に視覚交換システムを実装し、互いの視線を交換できるようにしたアイデア。草薙素子がバトーの視線をハッキングする「攻殻機動隊」のシーンを、これで体験できそうだ。

相手の視覚を自分のものにできる視覚交換システム

相手の視覚を自分のものにできる視覚交換システム

スマートグラスとARを併用したリアルとバーチャル体験

スマートグラスとARを併用したリアルとバーチャル体験

 造形を行っている浅草ギ研はAdawarpとの協業で、遠隔地にいる義体を動かし現地の情報を得られるようにする「テレポテーションデコット」を提案していた。VRヘッドマウントディスプレイを着けた人が顔を動かすと、離れた場所にある人形の顔が同じように動く。3Dプリンタを使って遠隔地に自分のコピーを作り出し、自分と接続して行動させたり、情報を集めたりするような「遠隔操作義体」のビジョンに迫って行けそうな技術だ。

遠隔地にいる義体を操作する技術につながりそうなテレポテ-ション デコット

遠隔地にいる義体を操作する技術につながりそうなテレポテ-ション デコット

 「攻殻×コンテスト」ではほかに、Project Hecatoncheir(ヘカトンケイル)による「救急医療・災害対応無人機当自動支援システム」が大小様々なドローンを並べて多彩な事案に対応できるシステムを提案。Snuggeryは植物内部の水の流れを察知し、水やりが必要かを判断して自動で水まきを行うようなシステムを作り出す提案を行っていた。

大小様々なドローンを活用する救急医療・災害対応無人機等自動支援システム

大小様々なドローンを活用する救急医療・災害対応無人機等自動支援システム

巻き付けたセンサーが植物の中を上る水量を検知し水まきの必要性を伝える

巻き付けたセンサーが植物の中を上る水量を検知し水まきの必要性を伝える

 「攻殻×ハッカソン」では、Shiftによる「空圧式人工筋肉身体防御スーツCyber Protection Suit」が、人間の身体機能を拡張するサイボーグ的な雰囲気を醸し出していた。人工筋肉を使った生体防御スーツで、装着した人が体に力を入れると、センサーがとらえてタンクからエアが送り込まれ、表面に並べられた人工筋肉を固くし、外部からの衝撃を吸収・拡散させる。事件現場に駆けつけ、テロリストなどを相手に戦う「攻殻機動隊」のメンバーに求められる技術と言えそうだ。「攻殻×ハッカソン」の最優秀はこの作品が受賞した。

ぐっと握ると人工筋肉にエアが送り込まれて固くなる

ぐっと握ると人工筋肉にエアが送り込まれて固くなる

赤く光るまで力を入れるとエアが送り込まれて人工筋肉が固くなり攻撃を和らげる

赤く光るまで力を入れるとエアが送り込まれて人工筋肉が固くなり攻撃を和らげる

全身に着込めば相手がプロボクサーでも安心?

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 電脳にダイブして、全身で情報の海を泳いで必要なデータを集める「攻殻機動隊」の世界観を再現したのが、フルダイバーによる「電脳空間2016」。ディスプレイやマウスといったデバイスを使い閲覧・使用するのが通常のウェブサイトやアプリケーションを、VRヘッドマウントディスプレイや、Wii Fitのような足で踏むコントーラーを使い、視覚や触覚といった人間の五感で操作できるようにする仕組み。バーチャルな空間で部屋の模様替えを提案し、それをリアルな部屋に反映させる仕組みも提案して、リアルとバーチャルの間の垣根を無くそうとしていた。

首を振り足で踏んで進む「電脳空間2016」

首を振り足で踏んで進む「電脳空間2016」

 すぐにでも使えそうなアイデアが、Biomachine Industrialによる「視覚機能拡張インターフェースシステム」だ。30倍ズームのデジタルカメラをヘッドマウントディスプレイに仕込んだようなデバイスで、人間が1点を注視する筋肉の動きを察知して、ズームを伸ばしてその部分を拡大して見せる。双眼鏡を手で持ち操作すればズームアップは簡単だが、それでは両手がふさがってしまう。人間の自然な動きの中から、両手を開けた状態で、見たい場所を直感的にズームアップできる技術は、スポーツ観戦のような娯楽から、災害地での救援活動など様々な分野に応用できそうだ。

見つめた場所がズームで近づく「視覚機能拡張インターフェースシステム」

見つめた場所がズームで近づく「視覚機能拡張インターフェースシステム」

 「攻殻×ハッカソン」ではほかに、「攻殻機動隊」に登場するタチコマを模した「高齢者の生活支援コミュニケーションAI」をCIRが提案していた。このほか会場には、特別展示としてMeltinMMIの「高性能義手」が登場。筋電を検出して義手を操作するというもの。手首と肘の関節の間に3つのセンサーをとりつけ、義手を制御するという技術は自由で自然な動きを実現し、握力など高い出力も可能となっている。以前は有線だったが、無線化に成功して離れた場所からも義手を操作できる。「攻殻機動隊」の世界を先取りしつつ、手足が不自由な人をサポートしたり、人間の能力を拡張して競いあったりする「超人スポーツ」への展開なども期待される。

タチコマの形をした高齢者の生活支援コミュケーションAI

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MeltinMMIの高機能筋電義手

MeltinMMIの高機能筋電義手。ケーブルが消えワイヤレスで操作できるようになった

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