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離れた場所での演武や講演を臨場感たっぷりにリアルタイム中継
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NTT R&D フォーラム 2016

離れた場所での演武や講演を臨場感たっぷりにリアルタイム中継

 NTTが情報や通信の最先端技術を使って進めている研究・開発の成果を披露する「NTT R&D フォーラム 2016」が18日と19日に、東京都武蔵野市にあるNTT武蔵野研究開発センタで開かれる。16日に行われた報道関係者向けの公開では、遠隔地で開催されているスポーツイベントや講演を、あたかも目の前で行われているように感じさせる中継技術、スポーツ技術の向上に役立ちそうな技術などが展示され、2020年の東京オリンピック/パラリンピックでの利用などを期待させた。

 演壇に立つ人物の映像が、ステージの背後にあるスクリーンに映し出される。サウンドと共に映像が消え、ステージ上に置かれた演壇にスポットライトが当たって、そこに現れた人物が話し始める。「お気づきだと思いますが、みなさまと違うところで、ひとりで話しております」。

ステージ上にいるように見える講演者だが実は別の会場にいる

ステージ上にいるように見える講演者だが実は別の会場にいる

 NTT代表取締役副社長で、研究企画部門長の篠原弘道さんがそう言ったように、ステージ上に立っているように見える篠原さんは、実はそこにはいない。地下1階にある講演会場から、カメラに向かってたったひとりで喋っている。それなのに、あたかもステージ上にいるように見えるのは、NTTが研究・開発を進めている、イマーシブテレプレゼンス技術「Kirari!」の中継技術が使われているからだ。

こちらは演台に実在するNTT代表取締役副社長 研究企画部門長の篠原弘道さん

こちらは演台に実在するNTT代表取締役副社長 研究企画部門長の篠原弘道さん

 2015年2月に同じNTT R&D フォーラムでお披露目された「Kirari!」のコンセプト。ステージ上に掲げられた目に見えにくいスクリーンに映像を投影し、立体感を持たせた音響を添えることで臨場感を生み出した。この時は、あらかじめ収録された卓球のゲーム映像を上映して、その場でプレーしているように感じさせたが、1年経った今回は、離れた場所で行われている講演を、リアルタイムで中継してみせた。

「Kirari!」は離れた体育館での空手の演武をステージ上に臨場感たっぷりに映し出す

「Kirari!」は離れた体育館での空手の演武をステージ上に臨場感たっぷりに映し出す

 デモンストレーションでは、離れた場所にある体育館で繰り広げられた空手の演武を、リアルタイムにステージ上に投影してみせ、臨場感のあるスポーツ中継の実現性を示してみせた。講演や演武をカメラで撮った際に入る背景を消し、人物像だけを切り抜くようにして中継する技術も新たに導入。これによって事前の加工を必要としなくても、人物だけをリアルタイムで離れた場所に“伝送”するプレゼンテーションが可能になった。


背景を取り払い人物像だけを切り抜いて投影する技術も使い進化する「Kirari!」

背景を取り払い人物像だけを切り抜いて投影する技術も使い進化する「Kirari!」

 目指しているのは、東京オリンピック/パラリンピックといったスポーツイベントで、実際の競技会場から離れた場所に、あたかもそこで競技が行われているような観戦環境を作り出すこと。観客席数が限られ競技会場に入れない人、海外も含めた遠隔地に暮らしている人に、臨場感たっぷりのスポーツ観戦を楽しんでもらえる。

 スポーツに限らずライブやコンサートの中継にも活躍しそう。デモでは実在する演奏者と映像の演奏者が、同じ場所にいるような雰囲気でクラシックを演奏してみせた。他にも応用の範囲は広そう。臨場感のあるリアルタイム中継が、離れた場所を繋いで人々に新しい体験をもたらしそうだ。

ステージ上で実際に演奏している人は何人? 「Kirari!」の臨場感は現実と架空の垣根をなくす

ステージ上で実際に演奏している人は何人? 「Kirari!」の臨場感は現実と架空の垣根をなくす

 東京オリンピック/パラリンピックのようなスポーツの祭典に向け、アスリートの能力をより高める技術として使えそうなものも出展されていた。「VR(Virtual Reality)体験でスポーツトレーニング」というタイトルの出展。VRヘッドマウントディスプレイを装着した野球のバッターが打席に立つと、マウンドから投手がボールを投げてくる姿が立体的に見える。首を振れば、ピッチャーの手を離れたボールがホームベース上に来て、後ろに抜けるまでをしっかりと追っていける。

VRヘッドマウントディスプレイをつけ仮想空間で相手投手の投球を体感

VRヘッドマウントディスプレイをつけ仮想空間で相手投手の投球を体感

 頭をねらったビーンボールには、VRと分かっていても体がのけぞるくらいの臨場感を味わえる。何度も繰り返して体験することで、ストレートや変化球といったボールの軌跡を頭や体に覚え込ませ、実際の対戦で有利に立つようなトレーニングができる。野球に限らずテニスや卓球、サッカーのPKなどにも応用できそう。これを使って鍛錬したプレーヤーが、来たる東京オリンピックでスタジアムやコートに立つこともあるかもしれない。

投球を繰り返して見たりボールの軌跡を再確認したりして相手投手のピッチングを覚えていく

投球を繰り返して見たりボールの軌跡を再確認したりして相手投手のピッチングを覚えていく

 会場にはほかに、ウェアラブル生体センサのhitoeを発展させ、筋電センサを取り付けてプレーヤーの筋肉の動きをトレスすることで、たとえばプロゴルファーとアマチュアゴルファーの筋肉の使い方の差を浮かび上がらせ、どういうトレーニングが必要かをアドバイスできるようになる技術も展示されていた。

ウェアラブル生体センサのhitoeを使い集めたデータから健康状態を把握するシステム

ウェアラブル生体センサのhitoeを使い集めたデータから健康状態を把握するシステム

腕や腰の筋電センサから筋肉の動きを読み取るウェアラブル機器

腕や腰の筋電センサから筋肉の動きを読み取るウェアラブル機器

 さまざまな部署から生まれてくる、こうした技術を組みあわせたり、それぞれが外部の企業などと組んで発展させたりしていくことで、実際の製品やサービスとして登場し、活用されることも起こりそうだ。

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